ワークショップデザインとしてのLow floor, High ceiling, Wide walls

ワークショップデザインとしてのLow floor, High ceiling, Wide walls(低い床と高い天井、広い壁)

Low floor, High ceiling, Wide walls(低い床と高い天井、広い壁) は、ScratchやOctostudioを開発しているマサチューセッツ工科大学メディアラボのLifelong Kindergarten 研究グループのMitchel Resinck教授らが掲げているツール開発の原則です。

プログラミングツールを部屋に喩えています。
まずは誰でも入りやすいように敷居を低くします。そして、一度入ってみると高度なこともできるように天井は高くなっています。さらに広い壁は、ツールを使う人それぞれが、自分にとって興味を持った活動ができるように、多様な活動を可能にすることを意味しています。

私自身はワークショップをデザインする際にも、この原則を活用しています。

まずは参加者がワークショップという環境に入り込みやすいように、敷居をどう低くするかです。例えば、ワークショップの会場に入ってきた瞬間に、サンプル作品や動画、ワークショップで使う様々な材料を見てもらえるようにしています。また、会場に入ってきた参加者に話しかけることも、敷居を低くするきっかけになればと思い、いつも心がけています。私の場合は、参加者にサンプル作品を持って話しかけるなど、ものを通じたコミュニケーションのほうをしてみることが多いです。

3つの原則のなかでの高い天井は、限られた時間のワークショップでは、どこまで実現できるかが難しいところです。

ワークショップのなかで、何段階かに分けて、ツールの機能を紹介することで、ツールの活用を広げることで、作品のアイデアと拡張できるようにしています。場合によっては、ワークショップが終わった後に、各自で作品づくりをする際に、あるいは次回のワークショップ際に繋がればと思っています。

そして、広い壁として多様な作品づくりを可能にするために、様々な材料を用意することを心がけています。ツールだけでなく、様々な材料から、参加者それぞれ自分がつくってみたい、興味がある、関心がある作品づくりできるように支援しています。

もちろん限られた空間と時間、材料と人で構成されるワークショップには、限界もありますが、ワークショップ自体にもこも3原則を活かしたいと思い、日々活動しています。

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