8月9日に3回目のプログラマブルバッテリーを使った動くおもちゃづくりワークショップを金沢市の放課後等デイサービスで実施しました。
10時開始予定だったのですが、9時半にリモートで接続したところ、すでに作品ができあがっています。
どうやら開所時間の9時から、一部の子供達が早速つくりはじめていたようです。
そして、繋がってすぐに、「みてみて」と声を掛けてきてくれる子供達。すでに作品づくりに集中している子供達の様子も画面越しにうかがえます。ツールのかなりややこしい名前「プログラマブルバッテリー」もしっかり覚えていてくれていました(英語名にしてしまいごめんなさい)。
機材や材料だけでなく、リモートで参加している私や、普段から活動を支援している方々、そして周りの子供達を含めて、今回のワークショップを構成している学習環境を子供達が上手に活用しているように見えます。
ワークショップという学習環境を活用するのには、慣れるための時間が必要であることをあらためて考えさせられます。
もちろん、3回目であることの良さは学習環境に慣れるだけでなく、一人一人の子供達の作品にも現れてきます。前回たくさんのギアを使って作品づくりに挑戦していた子供は、今度はギアを90度に噛み合わせることで、様々な方向に動く作品づくりに挑戦しています。聞いてみると、「なんとなく」思いついたとのこと。決められたゴールや目標ではなく、「なんとなく」がとても大事に思えます。
スタッフの方々も、「いいねえ」「すごい」「がんばれ」「忍耐も大事」など、子供達一人一人に異なった声がけをされています。
床にはブロックが散らばっていて、まさに子供達の仕事場(遊び場)としてのワークショップのようです。
活動スペースの境目がないことが、知らない間に子供達の共同をうながしているように思えます。
プログラマブルバッテリーを使わずに、ブロックだけでつくった素敵な作品もできています。
スタッフの方に聞いてみると、その子供が大好きなキャラクターをブロックでつくっていたようです。
普段あるブロックでは数が足りなかったために、つくることができなかった作品をつくっていました。
さらにもう一体、見知らぬキャラクターが。聞いてみると「○○さん」とのこと。どうやらこちらはスタッフの方を表現していたようです。
どうも今まで実施してきたワークショップは、ツールを使ってもらうことにこだわりすぎていたようです。つくりたいものを決めるのは子供達自身ですし、その作品に、今回であれば「プログラマブルバッテリー」というツールを使う必要がなければ、使わなくてもよいのかもしれません。
ゴールや目標をあらかじめ決めない(デザインしない)ワークショップ。
子供達が、自らの経験や知識、周囲の子供や大人、機材や材料などを活用して、自ら活動をデザインしていく学習環境としてのワークショップに向けて、今回もたくさんのヒントをいただけた気がします。
午前中に一旦終了したワークショップ後も、お昼休憩を挟んで、作り続ける子供達。
他の遊びをはじめた子供達の作品が集まってきて、さらには普段つかっているおもちゃのフィギュアも加わって、新しい作品に進化していきます。
いつまで続けるかも子供達が決める。時間の制約についても考えさせられます。
今回は、朝から夕方まで長時間リモート接続をさせてもらい、ワークショップを通じてワークショップを考える充実した時間になりました。
貴重な機会をいただいた子供達とスタッフの皆さん、そして現地で子供達の活動支援をしてくれた学生メンバーに感謝です。
本当にありがとうございました。