愛媛県教育委員会が運営するメタバース「メタサポキャンパス」でScratchワークショップを実施しました。担当の先生との打ち合わせも、初回のZoomでの顔合わせ以外はメタバース上で行いました。まさに現場を見ながら打ち合わせをしているようで、今までやっていた学校や科学館での現地確認を兼ねた事前打ち合わせを思い出します。違うのは、お互いアバター同士なので、ふと我に帰ると不思議な気持ちになることぐらいでしょうか。それにもだんだん慣れてきて、ビデオオンにして顔を見ながらお話する方が不思議な感覚になってきました。
今回は、はじめてのワークショップということで使用するメタバース空間(GAIA TOWN)でできること、活動でどんなツールが使えそうか、どんな子どもたちが参加してくれるのか、打ち合わせをしながら、担当の先生方とワークショップを検討していきました。
参加者の中にはScratchを使ったことがある子どももいれば、使ったことがない子どももおそらくいること、直接アバターとして参加するのではなく、県内の8の拠点で拠点ごとにアバターとして参加している(1人のアバターの後ろで、複数の子どもたちがGIGA端末を使いながら参加している)、さらにリモートでも子どもたちの表情が見えないメタバース上での活動であることなど、挑戦がいっぱいのワークショップとなりました。
色々と検討した結果、今回は音をテーマに、はじめてのワークショップということもあり、音声合成を使った挨拶とおしゃべりプログラムづくりをしてみました。
私も参加者も含めておそるおそる静かにはじまったワークショップも、それぞれが活動をはじめると、アバター越しに各拠点で子どもたちがつくっているプログラムの音が聞こえてきます。鳴き声からリズム、メロディとだんだん音が進化していく様子も聞こえてきます。対面でのワークショップでもよくありますが、子どもたちが音を使い出す、音を含んだプログラムをつくりはじめると、教室や会場中が音を媒介にして、繋がりはじめることが多くあります(そして運営側は子どものスイッチが入ったような気がして安心します)。
ワークショップがはじめる直前に、私自身の画面を会場に映せないトラブルもあり(おそらく私のコンピュータの設定です。事前確認後に、環境に移行したのが原因です。環境を変えないこと、反省)、自分自身も落ち着かないままワークショップがはじまり、ようやく子どもたちの音を聞くことができて落ち着くことができました。
今までの対面でのワークショップでも感じていましたが、今回はあらためてワークショップでの音の持つ力を再認識する機会になりました。子どもたちの声と活動から発する音、ファシリテーターの声、参加者の笑いや驚きの声、そしてうまくいかないときの困惑の声、なんとなく聞こえるコンピュータの操作音や物音、それぞれの拠点の外で流れる音など、音を通じた繋がりをいつも以上に感じることができました。見えない不自由さを、聞くことで知らないうちに補おうとしていたのかもしれません。いつもよりも子どもたちの声に敏感になれたような、不自由さが持つ可能性を感じることができた気がします。
とは言え、機材トラブルも含めて反省点も多く、次回に向けてやってみたいことも多くあります。特に、子どもたちが使っているGIGA端末上でも、説明時には画面が映せないか、私の画面をLive配信をするなど試していきたいと思っています。次に向けて、これをやってみたいというこの感覚も、1年半のブランクを経て久しぶりの感覚で、とてもワクワクしています。
貴重な機会をいただいた愛媛県教育委員会の皆さまと各拠点から参加してくださった先生方、そして何より参加してくれた30名を超える子どもたちに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。また、次回に向けて真剣に楽しみながらメタバースワークショップをつくっていきたいと思います。
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